Webcat / Webcat Plus が、分類で検索できないってどうよ?


前々から思っていたのですが。
国立情報学研究所がやってて、全国の多くの大学が参加している Webcat が、
分類から検索できないってありえなくないですか?
いや、分類から検索できないというのは少し語弊がある。
『フリーワードやキーワードという項目から、分類を含めて検索することはできるけど、
分類だけを検索することができない』というのが正確な表現でしょう。


「なんだ、じゃあ分類からも探せるんじゃん!」と思われるかもしれない。
しかし、コレで実際に NDC の分類記号を入力して検索しても
ノイズが多くて分類の検索としては使い物にならない。
「なんでそんなのがヒットするんだ!?」 と思うような書誌ばかりがヒットして、肝心のほしい情報が手に入らない。
しかも、叢書や目次や内容にその分類記号と同じ数字が入っているのならまだわかるけど、
いったいどこでどう区切ってヒットしているのか皆目見当もつかないようなものばかりヒットする。
検索キーとして入れている分類がマイナーなものだからそうなるのかもしれないけど、
一般に分類で検索したいと思うときは、その分類がマイナーだから分類で検索しようと思うのではなかろうか。


「分類で探す人なんてごくわずかでしょ。」 という意見もあるかもしれない。
しかし、探す人が少ないからといって、図書館の、しかも大学図書館が多く参加している
Webcat の検索から分類を外すというのはあまりにも乱暴だと思う。
もちろん、NACSIS-CAT からは分類からも検索できるだろうが、
ふつうの利用者や学生がNACSIS-CAT の検索を叩けるわけがない。
いちいち図書館員に調べてもらうのも気がひけるし、純粋な研究だけではなく、
ちょっとした興味から分類で検索したいと思うこともあるだろう。(あるよね!?)


近年、というかけっこう前からではあるが、図書館の電算化が進んで、
公共図書館でも Web から蔵書が検索できるのも当たり前になってきた。
しかし、公共図書館OPAC で、分類から検索できないものが思いのほかある。
もちろん、公共図書館大学図書館にもまして分類からの検索の要求は少ないだろう。
だが、図書館が他のインターネットの書籍関係のサービスと比べて優位を保てる数少ない
ポイントに、分類や件名を使って主題(テーマ)から探せるという点が挙げられると思う。
書名や著者名からの検索は、Amazon紀伊国屋、bk-1 などのオンライン書店
データベースと大して差はないと思う。
(図書館には同名異人を区別したり異名同人を結合・参照する著者典拠が有りはするが。)
扱っている資料群にしても、図書館が絶版本や古い本に強い一方、
新刊書や網羅性という点ではオンライン書店のデータベースに負ける。


そこで、主題から本を探せるという分類が、強みになるのではないか。
オンライン書店やその他のサービスでも、キーワードやタグを用いて本の主題を表す試みはあるが、
図書館には80年前(初版発行1929年)から連綿と受け継がれ、改良・発展してきた
NDC(日本十進分類)があるではないか!
NDC は NDC で、いろいろ問題点もあるが、資料を主題から探そうと思ったときに、
これ以上に適したものは日本にはないと思う。 (NDLCは置いとこう。)
電算化される前の図書館は、大学図書館にしろ公共図書館にしろ、必ず主題目録があったと思う。
件名目録にしろ、分類目録にしろ、以前の図書館には利用者が自由に使える主題目録があった。


Google をはじめとする検索エンジンAmazon のようなオンライン書店
その他 Web 上でどんどん進化していく情報サービスと図書館が渡り合っていくためには、
主題(テーマ)から探すことができるという分類の強みをもっと生かすべきだと思う。


たとえば分類記号なんか知らなくても利用者が簡単に主題から探せるように工夫するとかさ。
図書館分類の弱みは、分類体系を知っていればすごく便利に探せるけど、
それを知っていなければどうにもならないってとこだよね・・・・・。


※読んだらわかると思うけど、STI は分類がけっこう好きです。
贔屓しちゃってる記述もあるかもしれませんが、ある程度はご勘弁を。
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